11年07月08日
マスコットキャラクターではないが、沖縄の那覇には凄いのがいる。
国際通りに行くと、本土のお店とは少し異なる雰囲気ではあるが、Tシャツやお菓子など、お土産の定番が並んでいるところは同じだ。
私は30年前にはじめて国際通りを訪れたのであるが、そのとき驚いたのが切断した豚の頭をバーナーで焼いていたことだった。さすが本場の豚肉料理は作り方も豪快だ。30年前には豚の頭にただただ驚くばかりでカメラを向けられなかった。あれから沖縄には何度か行っているのだが、国際通りには縁がなく、今回は豚の姿を撮影するための目的で、大枚をはたいて沖縄に渡った。本土の観光客が沖縄らしく感じるのは、国際通りそのものよりも、隣接するアーケード街や牧志公設市場だろう。
いろいろな商品がところ狭しと並んでいて、三線(三味線や蛇味線などと呼ばれる)をひく若者もいる。その市場では、豚の顔皮や豚足など、豚のあらゆる部位を売っている。ピリ辛めの味付けがされているチラガーと呼ばれる豚の顔面は、オーブントースターで少し焼くといっそう美味しい味になる。その宣伝のためにおいてあるのが、この写真である。本生の本物だ。まさに那覇の記号だ。
1984年公開の映画『インディ・ジョーンズ-魔宮の伝説』では、羊の頭や猿の脳みそが食卓に登場するが、豚の姿はそれに比べればユーモラスだ。ただ、サングラスをはずしたときの凄みはかなりのもんだ。
牧志公設市場と対照的なのが最近できた免税店だ。モノレールの牧志駅から空港と反対方向に向かう。2つの目のおもろまち駅で降りると立派な建物があり、それが免税店だ。空港から遠いためか、買物客もまばらで、妙にお洒落なマネキンが目立つ。豚くんとのコントラストがいい。大きなフードコートがあって、ハンバーガやポテトのにおいにアメリカを感じる。はやり沖縄は基地の街だったのだ、と思ってしまった。
小川克彦