2008年度 - 作本 佳織(環境情報学部)
映像メディアは、文字メディアと比較して非常に体験的なメディアである。情報を視覚的、聴覚的に視聴者に伝えることで、視聴者があたかも映像に出てくる場所を知っているかのような錯覚を与えることができる。その場所が架空のものである場合には、現実世界に後付けで再現してしまうことすらあり、映像メディアが現実世界に与える影響力は計り知れない。
そこで、本稿では映像メディアが視聴者に場所の印象を与えることを「場所体験」と命名し、どのような映像表現を用いると視聴者により強い「場所体験」をさせることができるかを検証する。
具体的には、CMと映画を例に、「地名」と「実在性」をキーワードとして無記名実在型、記名実在型、記名架空型、無記名架空型の4種類の区分に映像を分類する。その上で、どのタイプがより視聴者に対して場所を深く印象付けるのかを比較分析する。結果、最重要項目として挙がった「地名」について、建築学の観点から映像表現としての構成要素を定義し、その定義に沿った短編映像を制作することで印象実験を行う。最終的には、映像メディアと人と場所をつなぐ新たな可能性について言及する。
「「記号で映す場所の魅力」-映像表現において場所観の形成を誘発する-」(PDF)
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